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あのときオレはクズだった~田中の回胴回顧録~

あのときオレはクズだった~田中の回胴回顧録~

2014.08.08

あのときオレはクズだった 第9回

田中(クズプロ田中→クズ田中→田中) 田中(クズプロ田中→クズ田中→田中)   あのときオレはクズだった~田中の回胴回顧録~


データを取った先にあったのは、すべてを得られる魔法のカード

コアの複合役攻略法発覚を機に大阪から愛媛へと戻ったものの、ビタ押しがまったくできずに惨敗。帰りの交通費すら遣い果たし、ひとり暮らしをしていた幼なじみのスエヒロマナブ、通称マブの家に転がり込むことになったわけだが、時間は腐るほどあるもののお金はまったくなく、バイト先のコンビニから廃棄を持って帰るマブ。彼から配給される弁当を食って、夜になったら近所のパチンコ屋にデータを取りに行くだけの、まさに穀潰し生活を送っていた。

 データを取りに行くのは、ハッキリ言ってただのポーズ。オレだってなにもしてないわけじゃないんだぜというアピールのためだけに行っているようなものだったのだけど、そのうちもっともらしい理由をつけてマブにパチスロを打たせて、万が一勝ったなら、それみたことかオレのおかげだと恩をきせ、コインかお金をもらってやろうと企んでいた。しかし、毎日バカみたいな顔をしてデータを取り続けているうちに、ひとつのことに気がついた。

 昨日まで負けていた台がその日に勝った場合、翌日も高確率でその台は客側が勝っているなあ……。

 はじめはぼんやりとした憶測でしかなかったソレは、データを取るごとに確信へと変わっていった。今日上がった台の据え置き狙い。いま思えば珍しくもなんともない、いたってオーソドックスな台選びの根拠だが、当時は極秘情報をつかんだソ連KGBの諜報部員にでもなった気分で、もしもこの情報を握っていることがバレたらゴルゴ13に狙撃されるんじゃないかと思うほどドキドキしたものである。

 勝てるとわかっている勝負を先延ばしにする必要などなにもないわけで、こうなったら実力行使。実のオヤジが経営するコンビニで働いていたマブには息子の特権で強引に休みを取らせ、翌日の朝イチから勝負へ行くことになった。

 時間だけはバカみたいにあるものだから店にあるすべての機種のデータを取っていたのだけど、その中でも特に状況が良さそうだったのが、まだ導入されて数ヶ月しか経っていないアルゼ(当時)の『バイオメサイア』だった。かっこいいブラックリールに、レバーONから鳴り響く大音量の予告BGM。正直、時代の最先端を走っていたアルゼにしては人気も設置も伸び悩んだ機種ではあるのだけど、古めかしいホールに並ぶ漆黒の筐体が妙に男心をくすぐったマシン。久しぶりにパチスロを打つ興奮を抑えながら、噛みしめるように打ち始めたのだった。もちろん金の出所は自分の懐ではなくマブの財布であったことは言うまでもない。

 高設定に座り、最低限の技術さえあれば、当時のパチスロで勝つことは、タイミングやヒキに勝敗が大きく左右されるいまのパチスロと比べて、さほど難しいことではない。結局、この日はマブが2万8千円。もらいコインで打った自分が9千円勝ち、立ち回りが間違っていないことを証明することとなった。

 こうなるとバカはいよいよ周りが見えなくなる。バイトなんか行っている場合じゃないと仕事を積極的に休むようになり、どうせ明日も勝つのだからと2万勝ったら3万。3万勝ったら4万を遣う生活を送るようになった。モテもしないコンパに顔をだしてはいい気になって金を出し、隣の席で高校の後輩が飲んでいればカッコつけて金を出す。そんな日々を過ごしていたら、あらびっくり。パチスロではまったく負けていないはずなのに、手持ちの金がほとんどなくなっていた。

 タネ銭がなければ勝負の土俵にすら上がれないし、いくら出る台がわかっていようとどうすることもできない。ゼロから金を生み出すような都合の良い魔法などないわけで……って、待てよ。金を生み出す魔法か……。

田中「なあ、マブ。あそこのパチンコ屋のちかくに、小さなプレハブがあったやろ。あれ、サラ金の無人契約機らしいぞ」

マブ「……それで?」

田中「打てば勝てるのは、もはや証明済みやろ。タネ銭さえあればどうにかなるんやけん、あそこで金を借りればいいんやない? いや、もちろん勝ったらすぐに返すよ。その日に返して、それで終わり。ノーリスク。それで、そこから無駄遣いはヤメてお金を貯めよう。うん、それがいい。そうしよう」

マブ「だれが借りるん?」

田中「そりゃ、本当はオレが借りたいところやけど、オレはほら、無職やし無理やろ。その点、お前はオヤジのコンビニで働いてるって言えば、まず間違いないやろ」

マブ「……まあ、それもそうやな」

 翌日、30万円まで無条件で引き出せる魔法のカードを手にして、雄叫びをあげる二人の姿があった。この魔法のカードはダメ人間の手に渡ると、その中毒性をいかんなく発揮し始める。のちにマブが13年間にわたって、団鬼六の亀甲縛りよりもぎっちぎちにその魔法に縛られることになろうとは、このときの二人はまだ、知るよしもない。
 

【メーカー】アルゼ 【販売年月日】1999年6月 【タイプ】A400

【田中氏のコメント】
1999年の6月にデビューしたアルゼの4号機『バイオメサイア』。ブラックリールを採用した渋い見た目と、遅れやBGM予告、消灯にフラッシュとあらゆる演出が魅力の豪華な1台であった。ビッグ中の10枚役確率にそこそこの設定差が設けられていたが(設定1で2.6分の1、設定6は1.9分の1)、小役をカウントするなどという概念がまだなかった19歳のクズは、もちろんカウントなどするはずもなかった。

 

クズの成績表:★★★☆☆(亀甲縛り)

まぁそのうち借金の話は出てくると思ってた。これからの波乱を予感させますね。
ここまでのストーリーを拝見すると、努力型のクズですよ。アナタ。ガチ勢ならば恐らくデータ取りなんかしませんからね。
 

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田中(クズプロ田中→クズ田中→田中)
代表作:あのときオレはクズだった~田中の回胴回顧録~

パチスロ好きが高じて21歳の時にパチスロ必勝ガイドにてライターデビュー。若手時代は勝ちキャラだったものの徐々にクズっぷりを発揮し、昼はギャンブル、夜は酒をモットーに活動を行う。30歳で思い立ってフィリピンに英語留学へ行き、2012年の2月より世界の子ども支援を行うNPO法人セブンスピリットを設立。フィリピンのセブ島でNPO活動をしながら執筆も行っている。

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