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クズと虫~お題共有コラム~

クズと虫~お題共有コラム~

2015.12.04

【第1回】お題~二人の出会い~元クズ田中編

クズと虫 クズと虫   クズと虫~お題共有コラム~

 好きなあの子との出会いだってはっきり覚えちゃいないのに、鈴虫との出会いなんて、正直言ってひとつも覚えちゃいない。覚えちゃいないが、まだ彼がガイドの編集部を訪れる何日か前に、当時ガイドの編集長だった吉良さんにこう言われたのは覚えている。


 今度、面白いやつが新しいライターとして入ってくるんだよ。カッパ君の後継者(当時、カッパ君はガイドを離れていた時期だったように思う)を目指せってことで、名前に「君」をつけて、鈴虫君っていう名前になったんだけど、仲良くしてやってよ。


 めったに笑わない吉良さんが口元を緩ませながらそう話している姿を見て、期待の新人が入ってくるんだなあと、そんなことを思ったのを覚えている。


 その次の全体会議のときに、初めて鈴虫と会ったのではないだろうか。もちろん人見知りの自分は挨拶もそこそこに、話しかけるなオーラを出して避けていたはずだが、なぜかその日か、その次の機会に、編集部ちかくの居酒屋に飲みにいくことになった。いまはもうなくなってしまったが、たしか、早稲田通り沿いの二階にあったガイドスタッフ御用達の店。八百八町という居酒屋だったように思う。


 酒が入れば饒舌になるのはみんな同じ。酔いが進んでいくうちに鈴虫は薄暗い店内で前のめりになって、こんなことを言い始めた。


 俺、田中さんの文章、好きなんですよ。田中さんと一緒に企画をやるのが俺の目標です。いまはまだ無理かもしれないけど、いつか絶対に一緒にやりましょう‼


 暑苦しいやつだなと思った。昨日、今日入ったばかりのよくわからないやつと、なぜオレが一緒になにかやらなきゃいけないんだとも思った。でも、そういう人間、自分は嫌いじゃない。当時、ガイドにおける後輩という存在はバイソン松本がいたが、彼はいわゆる年上の後輩。純粋な年下の後輩であり、同じ酒に飲まれるタイプであり、かつ自分を慕ってくれたこともあってその距離は一気に近づき、「バカ実戦」という、とにかくバカなことをやった人間が勝ちというガイドならではの連載企画をひやまっちを含む3人でやるようになって、さらに接近。自分が編集部からそう遠くない地域に引っ越してからは、酒を飲んでそのままうちに泊まりにくるような間柄になっていた。  


 基本的に、自分はシラフのときは無口である。ふたりで一緒に酒を飲みに行っても、酔っ払ってくるまでは、会話はほとんどない。下手すれば5分くらいお互いなにも話さなかったりするわけだが、そんな無言の時間も気にならない、気を遣わなくていい存在であり、まあ、簡単にいうと居心地が良かった。


 とまあ、こうやって持ち上げてばかりいるとなんだか気持ち悪いのだが、鈴虫……いや、あえてアイツ呼ぼう。アイツはもしかすると友達が少ない青春時代を過ごしたのだろうか。人との距離感を測るのが下手というか、コミュニケーションの取り方がおかしいというか、こう、急にムダに近い距離感で先輩に食いついたり、悪態をつくことがある。笑いを生むためのツッコミにしては絶妙にイラッとする言葉のチョイス。その結果、普通にやり取りをしていたはずの塾長おじさんを急に怒らせたりするわけだが、うちに泊まったときもそうだった。ありがとうございましたと帰ればいいものを、帰り際に、


「田中さんの家に泊まると翌日、絶対に具合が悪くなるんですよね」


 とか、言わなくていいことを言い残して帰っていくのである。ああ、思い出したらなんだか腹が立ってきた。こう、人には越えられたくないラインというのがあると思うのだが、そのラインを半歩だけ越えてくるところがある。一歩越えてくればこちらも怒るのだけど、半歩だからちょっとイラッとするだけでうやむやに終わり、こちらがグッと飲み込まざるを得ないわけだ。そうそう。あと、女に弱い。好きな女ができるとそこにばかり意識がいって、仲間との付き合いや私生活が雑になるよね、うんうん。  


 まあ、ここのところはフィリピンから帰国したときにたまに会う程度になっているのだけど、ここ1年くらいで雰囲気が変わってきたなと思う。以前は仕事における自分のなかでの自信と、世間の評価や結果が一致せずに、自分のなかで納得できていない部分があったのかな。そういった鬱屈としたものが無意識のうちに顔つきに出て、あまりいい顔をしていなかったのだけど、なにか自分の中で吹っ切れたものがきっとあるんだろう。いまは無駄なプライドを感じさせない、いい顔をするようになったなと、そう思う。


 また、年末に帰国したら飲みに行くと思うのだけど、そう言えば、自分がNPO法人を始めたころからいつの間にか、飲みにいくと鈴虫がそこの勘定を払うようになった。基本的にガイドは先輩が後輩のお金を払うもの。自分も先輩にそうしてもらっているのでオレが払うよと言うと、彼はこう言った。


「なに言ってるんですか。これまで、田中さんにいくら奢ってもらったと思ってるんですか。これぐらい、俺にもやらせてくださいよ」


 こういう、人に対する情の深いところが鈴虫君の、鈴木睦生のいいところだと思うし、だからこそいまでは後輩ではなく、年下の友達として付き合っていけているのだろう。


 いつか一緒に企画をやりましょう。八百八町で鈴虫が語った未来がこの企画なのかどうかはわからないが、覆面編集長に一言だけ言っておきたい。こういうクソまじめな、こっぱずかしいことを書かなきゃいけないお題は、今後ヤメてもらっていいですか……。
 

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クズと虫
代表作:クズと虫~お題共有コラム~

ライターである元クズ田中と鈴虫君。ガイド時代に最も近しき先輩後輩関係で、とても仲良しな二人。競艇好きという大きな共通点もある。




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