朝比奈ユキさんを暴く！③（最終回）

最終回：ラクに勝てる方法は無い


鈴虫「これまでは朝比奈の経歴とかプライベートのこと、目標なんかを聞いてきたけど、もう少しだけパチスロのことを聞かせてよ。勝つにはやっぱりホールが重要だと思うんだけど、イベントがないわけでしょ。ホール選びも難しいし、良さそうなホールを見つけても長く通い続けるのって難しいよね」

朝比奈「私が通ってるホールは中間設定が多いとかじゃなくて、少ないながらも必ず高設定を毎日使ってるんで、それをどう掴むかですね」

鈴虫「ヒントってまるっきりゼロなの？　たとえばメール会員になったら激アツのメールが届くとかさ」

朝比奈「メールに重要性はまったく感じないですね。特定のブログとかがあるなら別ですけど。今はスランプグラフが見れるかが重要だと思います。スマホで見れれば最高ですけど、最低でもホールのデータで見れないと、一撃で出たのか高設定らしく出たのか判断したいですよね」

鈴虫「最近の勝ってる人はデータ機の充実を求める人が多いよね」

朝比奈「そういう意味でも下見は重要だと思うんですよね」

鈴虫「昔に比べてデータを見てはっきりと高設定とは見抜くのは難しいけど、初当りは悪くないのに沈んでる台とか据え置きを狙いたくなるよね。それはデータを見なければわからない。ちなみに、朝比奈の通うホールはパソコンやスマホからでもデータが見れるんでしょ？」

朝比奈「見れますね」

鈴虫「それなのに下見に行くんだ？」

朝比奈「どうしても行けない場合はスマホで見ますけど、どうしても自分の目で確かめたいので行ける日は見に行きます」

鈴虫「行ってみないとわからない雰囲気とかもあるしね。それにしても、都内より地方のほうが高設定が多いって話を聞くけど、俺は都市伝説だと思ってるのね。でも、地域によっては今でもそうなんだね」

朝比奈「都内に比べて年配のお客さんが多いっていのも理由じゃないですかね。ライバルが少ないっていうのは大きいかも」

鈴虫「俺だったら、客が来てくれるなら高設定は使わないけどなぁ。そのあたりも地方特有のやさしさみたいのがあるのかな。単純にホールの体力があるだけもしれないけどさ」

朝比奈「ホールは足を使って探さなきゃダメですね。特に地方は車でいろんなとこに行けますから」

鈴虫「どいつもこいつも努力を押し付けてくるんだよ。もっと楽に勝たせろって」

朝比奈「無理ですね」

 

　彼女と面と向かって話したのはこれが初めてで、特に深く感じたのは彼女の「我」の強さ。もちろん、良い意味でだ。言葉の節々にパチスロ好き、そして勝ってきたプライドのようなものが見え隠れした。

　これまで勝利人のインタビュー以外でもパチスロで勝っている人間に話を聞いてきたが、基本は男性で、そういった空気をまとっている。自分のことを「男っぽいところがある」と分析する彼女の性格が、男性の多いこの世界で結果を残していく隠れた秘訣のような気もした。

　ちなみに、このインタビューを行ったのは約２か月ほど前で、その間にも彼女は必勝ガイドをはじめ、DVDや専門チャンネルなど活躍の場を広げつつある。以前に比べて稼働日数はどうしても減り、プライベート実戦に費やせる時間は少なくなっていることだろう。

　そこで、この原稿を書き上げる直前に、ひとつ意地悪な質問をしてみた。以前と比べてパチスロに対する考えやスタンス、立ち回りなどは変わったか、と。

すると、バカにするなと言わんばかりの勝ち気な口調でこう返ってきた。

「何も変わりません」