SCAR TISSUE

「中断にGOD絵柄が揃うと一撃5000枚が確定するプレミアATが確定するぞっ!」


スロットの歴史に様々な理由で名を残す事になる機種との出会いはパチスロ必勝ガイ○の白黒の新機種紹介ページだった。


実機と邂逅したのはその記事を見た数日後だったように思う。



「へぇ、導入されてんだね」



白黒ページの機種ってのはまぁ導入すら危ういマイナー機種と相場は決まっていたので出会い頭に不意を突いて口から出た言葉だった。



今のアクロス厨の私からは想像出来ないかも知れないが、当時の私は新台と呼ばれるものには目がなく、海のものとも山のものとも分からぬ台でも、とりあえず当たりを引くまでは打つといったスタイルだった。


まぁこれには理由がありまして。
情報がwebでイージーに誰でもGet出来る今の時代とは違い、台の旬を逃さない為に情報が出る前から身銭を切り、実体験から得られる情報を重宝していたからに他ならない。



事前にリスキーな台である事はサッと記事に目を通して知ってはいたものの、その日は給料の翌日の日曜日であり種銭にも余裕があった事から気を大きくした青年はいつもの「ま、とりあえず当たるまで」と軽い気持ちで神にパイルダーオン。






そして、おは天
「おはようございます、天井ですww」
の、おは天である。


20回転/1K
順押し以外はNGのリプレイすら制御で取りこぼす極悪な通常時。
※リプレイは逆押しでのみ揃う。

なーにも揃わないからとんでもないスピードでただひたすらにコインを飲み続ける神。


その苦行から解放されたのは1500G。
投資でおよそ75K。


もちろん間に1回ATMタイムをかましております。


そして、天井からのGG3連で得た1500枚程度のコインを再び神の腹に飲ませ次の奇数揃いを見たのはー








1500G。
再び天井である。







もちろん間にATMタイムをかましております（ですよねー）。


途切れ途切れの記憶を辿ると2回目のATMタイムに100Kを下ろして来たのかなぁ…


あれっすよ、あれ。
悟○がクッソ重たい服とか靴とかリストバンド取る感じ、分かります？



要は全力出すぜ？ってことです。
こっから本気で泣かしにかかるからな？あ？って例のアレっすよ。







ま、

お昼回った頃にはお財布の中が空っぽでしたけども（涙？泣いてるのは私？）




僕はその日、半日も保たずして1ヶ月分の労働に対する会社からの見返りを無くす事になりました。



金額にして18万両。


僕のスロ歴で最速であり、最大。


屈辱的な大敗北。


が、その実、やり切った感と言うか…なんつーか、投資がハーフ万枚超えた辺りから周りの景色がだんだんクリアーになってきて、環境破壊や世界平和について考えだしちゃったりなんかして。


残金が下皿だけになった時はもう神と僕だけの世界。


自家発電後の賢者タイムに違い境地に辿り着いたのれす。


例えば誰か一人の命と引き換えに
世界が救えるとしたら名乗り出るほどの賢者レベルである。



あれから随分と経ち、スロットは適度に遊ぶ遊技機に変貌を遂げた。


同じGODで初代の半分も出ねーのかよ？なんてのはナンセンス。
ナンセンスなんだけど当時を知る者のとしてはやはり寂しく思ってしまう。


僕のスロ歴での最速最大の負けがGODなら、最大獲得枚数18000枚もGOD。


ミリオンゴッドが残した傷跡は今でもこの胸に。

もう疼いてしまうことは無いほどに古くなっちゃったけどね。

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