腹を探り合うのは習性である（オタクの　

濃い　　薄い









醤油の話ではない。愛情の度合いの測り方である。古今東西日陰者である我々オタクにとって、その愛情（勿論、醜く歪みきっている）の度合いは広さではなく濃さで表されてきた。


大体小学生くらいで一度卒業のチャンスがある。日曜の朝に急に女子向けのアニメが始まったりして、【見ているのに見てないふりをする奴】だ。もう卒業だ。おめでとう。立派に生きろ。

二回目の卒業のチャンスは中学生くらいだ。急に「ヤンマガ」の話なんかしだすとアウトだ。この間まで「ワンピースって結局、悪魔の実そのものなんでしょ？」とかどこかで誰かが言ってた話をさも自分が考察したかのように語る癖に、「ヤンマガ読んだ？」なんて急に言い出すともうアウト。お疲れ。スマートでも読んでＳＥＫＡＩのなんとかでも聴いてくれ。達者に生きろ。


高校生にもなってアニメだの漫画だの言ってるともう立派にコミュニティーに所属している場合が多い。すでに拗らせて必死に「誰しもしらない漫画」だの「未開のアニメ」だの探し出そうとTSUTAYAなんかに入り浸りだす。安心してくれ。そんなとこはとうの昔に掘りつくされている。

才能を持った人間はこの頃より頭角を現し、自身での作品に没頭なり始めだす。目が覚める人間もいれば、大成する人間も1%未満だろうがいる。確実にいる。

件のTSUTAYAキッズはせいぜい１０年ほど前に語りつくされた物を前に、やはりどこかで聞いたような言葉を吐き出し、色々叩き始める。わかった。もういい。楽になれ。君はただの消費者であることを早く認めるんだ。楽になるぞ。



そんなこんなで一番末席に居たワタシこと藤原少年も歳を取った。最早藤原中年である。しかしこの男（まぁ俺だが）読むことをやめなかった。見ることをやめなかった。ここまでくれば立派に消費末端のオタク一級免許限定解除保持者と言ってもいいだろう。

ここまでくればすべての「新しき出会い」に関してオタクのオタクによるオタク的目線で戦うようになった。例を出そう。


例えばスティーブジョブスやアップル製品が好きな人にこんな話をしてみる。


「そういえばSEでとうとう9:21が使われなくなって、アップル社はどこへ向かうんでしょうね。」


これはリンゴのマークが好きな人間なら100%知っている話「9:21の逸話」をサラっと披露することで、相手の出方を伺うのだ。さぁ、このエサに食いついて自身のアップル観を披露してみろ。と。無言で僕は圧力をかけるわけだ。ちなみに僕はここ２年ほどでアップルには人生で５回目くらいの「もう知らん好きにせぇ」を覚えた。


そして相手がこう出てくる。




「でも３ライン方式は崩さないみたいですし、これからもアップルはアップルのままなんじゃないでしょうか？」と。





３ライン方式の話はとりあえず置いておくが、この話ができるあたり相当なマニアで或ることはこちらにも伝わる。いうならば「あぁ、君とはアップル製品に関してよい酒が飲めるのだろうな。」と分かる訳だ。




オタクがオタクと「見えない名刺交換」をした瞬間であると言っていいだろう。



このように。読むことに見ることに、お金を使うことに人生の大体をささげた面倒な中年オタクは、語り明かせる仲間を求め、日夜いろいろな場所で見えない名刺を切り続ける訳だ。




話をパチスロに変える。最近どうもパチスロではこの名刺交換が上手くいかない。そもそも滅多にリアルエンカウントする事の出来なかった「スロッター及びパチンカー」の皆さまと、やっと出会えたと思って、「最近なに打ってます？」なんてお決まりのジャブ（名刺じゃねぇのか）を繰り出すと、


「５スロっすね」とか返ってくるのだ。アレ？５スロって機種か？ん？まぁいいもうちょっとつっこんでみよう。「５スロでなに打ってるの？」いわば追撃である。ジャブの連続だ。（名刺はどうした）


「ハーデスですね！一撃でかいんで！」





お、おぅ。






どうやらジャブはかわされた様だ。見えない名刺をそっとポケットにしまう瞬間である。おじさん。ｶﾅｽｨ。




そして今日の本題である。今までのは前ふりだ。すべて忘れてくれ。






Qパチスロ好きを伝える為に、最も効果的な話題の切り口はなんですか？




素晴らしいアドバイスを求む。





追伸、沖縄ちょっと楽しいです。イエイ。

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