思い出ボロボロ スピンオフ(アイドルが消えた)

馬鹿は馬鹿らしく

私が初めて熱烈に応援した記憶

そのアイドルがこの世を自ら消えた

営業途中のカーステのラジオでの速報

彼女が所属している芸能事務の屋上から

身を投げた

目に入ったパチ屋の駐車場に飛び込み

呆然としていた

どの位時間がたってたのかわからないが

クラクションの音で自分が駐車スペースに

入ってなかったのに気づく

慌てて立ち去った

その日は「体調不良」として早退

ショックと喪にふくす

彼女も俺がそのアイドルのファンなのを

知っているので電話したら

「好きなだけ泣きなさい、気持ちが整理
出来たら電話ちょうだいね。わかるから」

と切られた

一晩中泣いた、泣いて泣いて

次の日目を真っ赤にして出勤

事情を説明したら呆れられた

そしてぶちギレた自分

「テメエらに分かられてたまるかよ
こんな気持ち」

とわめき散らして外出(外回り)

どこをどの様に走ったか分からなかったが

気づくとパチンコ台の前に座っていた

体の髄までパチん粕になった時だった

涙が止まらない、涙が

その時大当たり

だが目が霞んでどの絵柄で当たったか

分からなかった

あれから３０年

今、俺は生きてます

0